計画研究班
A01
ゲノムモダリティの理論と基盤
A01-2 DNA ナノスケールのモダリティ
DNA は、ナノスケールでは硬い構造を持ち、ゲノム DNA スケール(メゾスケール(数百 nm)からマイクロスケール(数十μm))では柔軟な高分子物性を示す階層性のあるソフトマターである。塩基配列によって支配される DNA のナノスケールの熱力学は分かっているものの、細胞生物学的に重要なメゾ・マイクロスケールの構造物性や動態についてはあまり分かっていない。本研究では、DNA が、ナノ情報を元に、細胞核スケールの微小空間で、いかにしてメゾ・マイクロスケールのマルチモーダルなゲノム DNA の構造・物性・機能(液-液相分離、分子内相分離、界面張力、粘弾性、体積相転移、非平衡性など)を発現するのか、そのソフトマター物理学的な原理を解明する。そのため、DNA モチーフや DNA オリガミなどの DNA ナノ構造を自己組織化させた DNA ゲル・DNA 液滴や、マイクロ流体工学的に生成した脂質膜小胞を利用し、ゲノム DNA モデル(人工クロマチン)や細胞核モデル(人工細胞核)を人工合成して解析する。また、得られた知見を、人工細胞工学や分子ロボティクスなどの生物物理学的・応用物理学的な技術に応用する。
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瀧ノ上正浩 研究代表者
- 東京工業大学 情報理工学院 情報工学系
- http://takinoue-lab.jp/
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鈴木宏明 研究分担者
- 中央大学 理工学部 精密機械工学科
- http://www.mech.chuo-u.ac.jp/~suzukilab/